死にたい君に夏の春を
絶望の再認識


次の日。


僕は荒々しくスマホのアラームを消した。


最近は遅く起きることが多かったから、8:30に起きることが辛い。


まだ寝ていたい気分だが、今日はそうにもいかない。


着る服を適当に決め、部屋から出る。


やはり、リビングには誰もいなかった。


昨日の夜この家に帰ってきた時は、父親はどこにもいなかったのだ。


コンビニにでも行ったのかと思ったが、そうじゃないらしい。


仕事とコンビニ以外で出かけるなんて、滅多にないことだ。


まぁ、僕には関係ないことだからどうでもいいのだが。


棚に入っていたクロワッサンの袋を開け、出かける準備をしながらパンを口に押し込む。


僕の全財産は6万円ほど。


昨日で5000円以上使ったが、大したことは無い。


財布に4万円を入れ、ズボンのポケットにしまう。


食べ終わったクロワッサンの袋をゴミ箱に捨てて、外に出た。
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