死にたい君に夏の春を


彼とビーハンや、太鼓の匠の話をしながら歩いていたら、この辺で1番大きいゲームセンターに着いた。


中に入ると、色々なゲームの音がうるさく鳴り響く。


割と人もいる。


「両替してくるから待ってて」


織部は両替機向かい、僕は暇そうに窓の外を眺めた。


ふと、ある人に目が止まる。


「あ」


見覚えのあるぶかぶかのセーラー服を着た少女が、外を歩いていった。


何故か目が彼女の姿を追う。


すると、両替をし終えた織部が話しかけてきた。


「何見てんの?……うわ、九条じゃん」


気づいて欲しくない人物に気づかれてしまった。
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