死にたい君に夏の春を
室内であっても、この蒸し暑さは変わらない。


むしろ風がないから外より暑い気がする。


シューズを上履きに変え、1階の職員室へ向かう。


「失礼します」


中に入ると、エアコンがよくきいた冷たい空気を感じられる。


所々、先生達が仕事をしている姿が見えた。


夏休みだっていうのに、教師は大変だ。


さっさと教室への鍵をとり、職員室を出る。


そして3年生の教室がある、2階への階段を上がった。


4階に音楽室があるからか、様々な楽器の音が近づいてくる。


階段を上がりきった、すぐ横にある教室の扉の鍵を開け、後ろにある自分のロッカーを探す。


小さなロッカーを開くと、そこには数学のプリントが5枚。


よかった、ちゃんと入ってあって安心した。


これが落として無くしたようならば、夏休み明けから最悪な状況だった。


僕はプリントをもって教室を出、鍵を閉めた。


すると。
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