死にたい君に夏の春を
「そういえば本って言ってたけど、なんの本?」
僕は聞いた。
「『最高の人生の過ごし方』って本」
なんだその胡散臭いような本は。
そんなものを死ぬ前に参考にしているのか。
というかどこでそんなもの見つけたんだ。
「あ、家着いちゃった」
気づけばもう、廃墟になったビルまで到着していた。
もう家って認識してるのが、なんとも悲しい気分にさせる。
「じゃ、僕こっちだから」
と言って家の方向へ歩こうとする。
「あ、待って」
彼女は言った。
「明日、ここに来てくれる?」
僕は振り返った。
「……うん。わかった」
初めて、約束というものをした。
そして僕らは別れて、それぞれ歩き出す。
僕は聞いた。
「『最高の人生の過ごし方』って本」
なんだその胡散臭いような本は。
そんなものを死ぬ前に参考にしているのか。
というかどこでそんなもの見つけたんだ。
「あ、家着いちゃった」
気づけばもう、廃墟になったビルまで到着していた。
もう家って認識してるのが、なんとも悲しい気分にさせる。
「じゃ、僕こっちだから」
と言って家の方向へ歩こうとする。
「あ、待って」
彼女は言った。
「明日、ここに来てくれる?」
僕は振り返った。
「……うん。わかった」
初めて、約束というものをした。
そして僕らは別れて、それぞれ歩き出す。