死にたい君に夏の春を
「お前は毎日が息抜きの間違いだろ……。まぁ、どっか予定空いたらいいよ」


「まじ?じゃあゲーセン行こうぜ」


「予定が空いたらな」


そんなことを言うけれど、予定が空く予定など更々ない。


何故なら、遊びに行くことがめんどくさいから。


「俺帰るわ。じゃあな高階」


「じゃ」


織部は何も買わず、コンビニを出て行った。


結局あいつは何しにコンビニに来たんだ。


僕は彼の姿が見えなくなるまで見届け、カップ麺のコーナーへ向かう。


ラーメンや焼きそばなど、端から端まで1個ずつ買い物カゴに入れていく。


こんな食事が不健康なことは分かっているけれど、あいにく僕は、親の手料理というものを産まれてこの方1度も食べたことがない。


だから毎日、食事は朝昼晩、カップ麺かコンビニ弁当なのだ。
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