one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


どうしよ……。


思いっきりビクつきながらそろりと立ち上がる。


変質者が登ってきた、とか?

それとも泥棒?

立派なお家だし……有り得る話だよね……。



もしものことがあったら叫ぼう。

怯えながらそう心に決め、カーテンで見えない窓に近付く。

端っこからそっと外を覗いた。


「……? えっ!」


そこに見えた顔に思わず窓から後ずさり。


えっ……

何で⁈ 何でそんなとこに!


動けないまま窓の前に突っ立っていると、カーテンの向こうからガラスがコンコンと叩かれた。

怖かった気持ちが驚きに変換されていく。

シャッと一気にカーテンを開いた。


「あの、どうして……」


そこに現れたのはなんと理玖くん。

窓の向こうのベランダに立っていた。

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