one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
「スマホくらい持ってないとイジメられちゃうよ」
イジメ、ねぇ……。
「話にもついてけなさそうだし」
やっぱ……
そういうもんなんだ……。
めんどくせーな、女って。
スマホを拾い上げ振り返る。
キッチンに入った母親に熱弁を振るう瑠依がくっついていた。
「あのさ、頼めたら頼みたいことがあるんだけど」
そう切り出すと、母親と瑠依が揃って俺に目を向けた。
「何? 頼みたいことって」
「スマホ、一台契約してくんない?」
「え? スマホ? どうして」
「桃香、持ってないらしいから」
そんなことでイジメにでも遭われたら俺も被害を被る。
一応、右習えしといた方がいいだろ……東京では。