one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


「まぁ……そういう相手がいれば、の話だけどさ」


クスクスと笑うこころちゃんの様子に、何故だか胸が騒めく。


きっと、誰かそう思える相手がいるんだよね?

誰……だろ?


「あ~あ……って、あぁ! この映画ってここで先行上映なの⁈」


うちの学校……の人かな?


「うそぉ、絶対観に行きたいし……」


純太くん……とか?

それとも……まっ、まさか……。


「ねぇ理玖! コレ、一緒に行かない?」


えぇっ⁈


こころちゃんの声でハッと我に返る。

目を向けると、こころちゃんは後ろの席で純太くんと話している理玖くんに話を持ちかけていた。

広げた雑誌を手に「行こうよ!」と誘っている。


うっ、うそ……。

私の予感、的中⁈


呆然とその光景を眺めていると、理玖くんが雑誌を手に取る。


「別にいいけど?」


こころちゃんにそう言った。

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