one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜



目の前には見上げても見上げきれない巨大な観覧車。

夕方を過ぎた空は薄暗く、観覧車は鮮やかなライトアップに身を包んでいた。


「じゃ、おっ先~!」


デニムのショートパンツに黒いチュニックを着た、セクシーなこころちゃん。

細いその腕が、血管の浮き出た長い腕に絡みつく。

スラリと高い長身の理玖くんが、横から見上げるこころちゃんに微笑みかけた。


ドキン……ドキン……。


遠ざかる二人に胸が痛む。

何でかはよくわからない。


でも……息苦しい。


レディファーストで理玖くんがこころちゃんを先に観覧車に乗せる。

パタンと店員さんがドアを閉めた。

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