one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
向かい合って座る二人の楽しそうな顔が遠ざかる。
こっちを向いたこころちゃんが無邪気な笑顔で手を振った。
ズキン。
胸がまた痛んだ。
「桃ちゃん、俺らの番だよ」
斜め上から弾んだ声が降ってくる。
見上げると、にっと笑顔の純太くんが私を見下ろしていた。
止まらない観覧車にそのまま乗り込む。
上昇していく観覧車はあっという間に頂上に近付いた。
見下ろす景色に意識を集中させる。
でも……頂上に近付く観覧車は次第に横並びになっていく。
嫌でも目が奪われる。
先に行ったこころちゃんたちが丸見えになって、私はその光景に釘付けにされていた。