one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


便座に座ったままオロオロしていると、ドアの向こうからこころちゃんの声が……。


そうだ!

こころちゃんにきいてみれば……。


「桃香ー? あれ?」

「あ、こころちゃん? まだ入ってるんだ!」

「あーいたいた。ごめんね! いいよ、焦らなくて」

「うん、あのっ……」


ゔー……。

でも、やっぱり……言えなーいっ!


人が出たり入ったりする慌ただしい中、「ナプキン持ってる?」の一言に躊躇する。

女の人しかいないけど、どうしてだか言い出しづらい。


「どしたー? 桃香?」

「あ、ううん。何でもない! 先行ってていいよ。すぐ行くから」

「え、あ、ホント? じゃ先行ってるね。待ってるから」

「うん、ごめんね」


って……どうしよう⁈

とにかく何とか……。


慌てながらトイレットペーパーで応急処置をし、落ち着かない気分でトイレをあとにした。

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