one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
迷子の迷子の子猫ちゃん *理玖*
「なぁ、桃ちゃん遅くね?」
「おかしいなぁ……ちょっと遅いよね?」
「もう始まっちゃうし。迷子とかなってんじゃねーの? もしかして」
いや……
トイレの流し方がわかんなくてテンパってたりして……。
なんて、そんな冗談を考えてる場合じゃないらしい。
横の二人が言い合いを始めた。
「だいたいさ、何で待っててやんないわけ? 初めて来たとこで迷ってもおかしくないだろ?」
「そんなこと言ったって! 桃香が先行っててって言うから、大丈夫だと思って……」
「ったくー……。あっ、電話してみろよ、桃ちゃんに」
「あっ、そっか!」
「アイツ、電話持ってないけど?」
割って入ってそう言うと、こころが「そうだった……」とゾッとしたような顔になった。
こういう時やっぱ、電話って便利なんだよな……。