one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
えっ……?
そう言ったおじさんは、私の反応も見ずに掴んだ手を引っ張った。
グイグイ強引に握った手を引いていく。
「あ、あの!」
突然のことに言葉が続かない。
コロッと変わったおじさんの態度に恐怖が募る。
ちょっと待って……!
私、どこに連れてかれてるの⁈
やだ……怖いっ……!
「あのっ、放してください!」
嫌……やだ!
誰か!
誰か助けて――!
「いやっ! 放してっ」
経験したことのない大ピンチに涙が込み上げる。
その時だった。
おじさんに引っ張られる私の腕に、ガシッと別の手が掴みかかった。
えっ……⁈
「はい、そこまで」