one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
「お前、純情すぎ」
「えっ……?」
「純情っていうか、何ていうか……警戒心なさすぎだろ?」
警戒心……。
でも、だって今のは!
「え、あの、でも、私は……」
「親切に道案内してもらえるって、信じてついてったって……言いたいわけ?」
「はい……」
嘘偽りなく、理玖くんに言われた通り。
おじさんの態度が急変するまで、私はそう信じて疑わなかった。
素直にそれを認めると、理玖くんはまた小さくため息をつく。
私の頭を優しく撫でた。
「あのな? 世の中そういういい人ばっかじゃないわけ。わかる?」
「え……?」
「まぁ、お前の住んでた村では親切なおじさんしかいなかったかもしれないけど? それはたぶん村限定の話」
「……」
「みんながみんな、いい人ってわけじゃないわけ」