one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


「そう、ですか……」

「あの時もそうだったじゃん?」

「……あの時?」

「俺らが初めて会った時」


あ……。

あの、バスの時……。


「あの時だって、オッサンが平気でああいうことしちゃってたし……これでよくわかっただろ?」

「はい……」


そっか……。


確かに、東京に来てこんな目に遭うのは二回目。

もうちょっと用心しなくちゃいけないよね……。


でも……あの時と同じ……。

また、理玖くんが助けてくれた……。


「あの……ごめんなさい」


本当に鈍くさいことばっかりの私。

理玖くんはもう呆れかえってるかもしれない。

謝ると、理玖くんは仕方なさそうに笑みを浮かべた。


「二度あることは三度あるって言うからな? まぁ、次はないように」

「はい……」

「……っていうか」

「……?」

「どうしてくれんのかなー……」


今の今まで、ちょっと真面目な顔をしていた理玖くん。

でも、急に口の端を吊り上げて意地悪く微笑む。


え……なっ、何⁈

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