one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


「……映画。始まっちゃったんですけど? 誰かさんのせいで」

「え……あっ!」


腕時計を見てびっくり仰天。

時間は五時半過ぎで、もうすぐ六時になろうとしていた。


「あーあ、観たかった映画なのに……」


理玖くんが追い討ちをかけるようなにボソッと呟く。


そうだよね……。

楽しみにしてたのに……私のせいで……。


こころちゃんとも、一緒にいれなくしちゃってるし……。


手元の時計を見たまま申し訳ない気分で俯いていると……。


「まぁいいけど」


その言葉と共に、見ていた腕時計をした手首を掴まれた。


えっ⁈


驚いて顔を上げる。

すると、理玖くんは意地悪な顔をしたまま私を見下ろしていた。


「桃香が責任取ってくれんだよな? もちろん」

「えっ……せ、責任て」

「映画がボツになった責任」


えっ、え?

責任っ⁈

< 160 / 405 >

この作品をシェア

pagetop