one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
「……映画。始まっちゃったんですけど? 誰かさんのせいで」
「え……あっ!」
腕時計を見てびっくり仰天。
時間は五時半過ぎで、もうすぐ六時になろうとしていた。
「あーあ、観たかった映画なのに……」
理玖くんが追い討ちをかけるようなにボソッと呟く。
そうだよね……。
楽しみにしてたのに……私のせいで……。
こころちゃんとも、一緒にいれなくしちゃってるし……。
手元の時計を見たまま申し訳ない気分で俯いていると……。
「まぁいいけど」
その言葉と共に、見ていた腕時計をした手首を掴まれた。
えっ⁈
驚いて顔を上げる。
すると、理玖くんは意地悪な顔をしたまま私を見下ろしていた。
「桃香が責任取ってくれんだよな? もちろん」
「えっ……せ、責任て」
「映画がボツになった責任」
えっ、え?
責任っ⁈