one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
夢のような時間
空はだんだんと暗くなり、日が落ち始める。
たくさんのお店が光を灯し、イルミネーションみたいに辺りを照らし出していた。
何だかわからないまま理玖くんに連れられ、歩くこと十分近く……。
繋がれた手のせいで私の心臓は大暴走中。
手を繋ぐことがこんなに恥ずかしいなんて思いもしなかった。
もちろん、男の子の手に触れるなんて生まれて初めて。
不慮の事故で手がぶつかったくらいの経験しかない。
私の手をしっかり握り締める理玖くんの手は、指が長くて大きくて……私の手なんかすっぽり包まれちゃう。
骨っぽくてゴツゴツしてるけど、温かくて優しいぬくもりがあって……。
何だか守られてるって感じがする。
さっき捜しに来てくれた時、やっぱり理玖くんのことが好きなんだって、私は知らぬ間に実感していた。