one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
「拒否ったりしちゃうわけ?」
「えっ?」
「この俺が誘ってやってんのに」
え、え……えぇぇぇーっ⁈
「え、でも」
「そんな失礼な奴じゃないよな? 桃香は」
「え、え……」
理玖くんとあの観覧車に乗れるなんて、私にとったらそれは夢のような話。
でも、それってまさに、こころちゃんに対して裏切り行為になる。
そんなこと……私には……。
私を見る理玖くんは、何の後ろめたさもなさそうな顔をしている。
第三者の私がこんなに困っているのに、何一つ不都合なんてないみたいで、試すような余裕な表情をしている。
「……乗り、ます」
その目に負け、私は理玖くんにそう言ってしまっていた。
雑誌を見せながら楽しそうに理玖くんを誘っていた、こころちゃんの可愛い笑顔が頭をよぎる。
ズキン。
胸が苦しくなった。