one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
巨大な観覧車のふもとにたどり着くと、理玖くんは券売機でチケットを買った。
もじもじしている私の肩をサッとさらって、数人が並ぶ列に向かう。
後ろめたい気持ちと、単純に緊張する気持ちがぐちゃぐちゃに混ざって、痛いくらいに鼓動が高鳴っていた。
「近くで見ると結構でかいんだな?」
理玖くんはそんなことを呟きながら観覧車を見上げる。
どうしよう、どうしよう……。
こんなのだめ、こんなのだめ……。
そんな風な音を立てる心臓に困惑しているうち、あっという間に順番が回ってきてしまった。
見た夢と同じように、理玖くんが私を先に観覧車に促す。
でも、相手が間違ってる。
だって、一緒に乗るのは私じゃない。
二人が乗って閉められた観覧車は、私の心配をよそにゆっくりと上昇をしていった。