one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
乗っちゃった……。
見下ろすと、今これに誘導してくれた係の人が、次々とお客さんを観覧車に乗せているのが目に入った。
徐々に地上が遠ざかる。
向かい合わせになって座った理玖くんは、窓の外をじっと眺めていた。
何でこんな展開に……。
昨日見た夢が蘇ってくる。
理玖くんが、キスをしてた……昨日のあの夢……。
――ドキン、ドキン……。
その映像が鮮明に頭に浮かんできて、前に座る実物の理玖くんと重なり合う。
何で私が緊張とかしてるの⁈
これは不運の重なったアクシデントで、昨日のあの夢は私じゃなくて……。
むやみやたらに恥ずかしくなる自分に言い聞かせる。
「あの……いいんですか?」
平然としている理玖を見てるうち、私の口は勝手にそんなことをきいていた。