one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
外の景色を見ていた理玖くんの顔が私へと向く。
「……いいって、何が?」
「え……だって……」
組んだ長い足を組み替えて、「ん?」と首を傾げる理玖くん。
意を決して、膝の上でワンピースをギュッと握りしめた。
「だって、これ……こころちゃんと、乗るつもりだったんじゃ……」
……?
あれ……無反応?
返事がないことに恐る恐る顔を上げると、理玖くんはじっと私の顔を見つめていた。
「……こころ? 何で」
「えっ……だって理玖くん、こころちゃんに誘われてたから……」
「これに乗ろうって? いつ?」
「え……この間、今日の約束をしたとき、教室で……」
そこまで言ってみると、理玖くんはいきなりプッと吹き出した。