one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
「それってさ、何かの間違いなんじゃないの?」
……え?
「これに乗ろうなんて、一言も誘われてないけど?」
嘘……
だってあの時!
「誘われたのは、今やってる映画のこと。桃香が言ってるのはあれだろ? 雑誌見てた時のことじゃなくて?」
「はい……そう、です……」
「残念ながら、見せられたページが違うな。桃香の期待してる誘いはなかったけど?」
「期待、なんて……」
うそ……うそ……。
じゃあ全部……私の勘違いだったの……?
「なるほどね……そういう勘違いをしてたわけか」
理玖くんはそう言って座席を立ち上がる。
私の横へと移動すると、観覧車がグラッと傾いた。
「もしかして……今日浮かない顔してたのって、その勘違いのせい?」