one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
「いえ……別に、そんな……」
もちろん本当のこと言えない私は、しどろもどろになりながら首を振る。
基本、毎回この猛烈に整った顔に見つめられるだけで、私の言葉は奥へ奥へ……。
今は更に、理玖くんのことを考えていただけあって、それが余計に強かった。
「そう。じゃあ、俺の見間違いか」
……え?
見間違、い?
黙っていると、理玖くんは私の膝の上からスイアニのぬいぐるみを取り上げる。
手にしたダックスフンドを、両手でギュッと抱き締めた。
「俺が取ってやったぬいぐるみを、こうやってさ……」
え……。
「勘違いするじゃん? 俺のことでも考えてたのかなって」
ばばばっ……バレてるーっ!
お見通しって顔をして私を眺める理玖くん。
馬鹿正直者の私は、一気に顔が赤くボンッ。
理玖くんはそんな私を見て、勝ち誇ったように口角を吊り上げた。
「……図星だ?」