one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


いつになく意地悪な表情の理玖くん。

目を見開いたまま、じっと真上の目を見つめる。

逸らしたくても顔を動かせない。


「……もーもか?」

「あ……え……」

「正解?」


顔をグンと近付けて覗き込まれ、私は結局うんうんと頷く。

気付けば固く目を閉じていて、意識は肩を押さえつける理玖くんの手に集中していた。


「……やっぱそうなんじゃん」

「ふゃっ!」


なななっ……なにぃ⁈


「だったら、ぬいぐるみなんかより……コレの方がよくない?」


ひゃ……ひゃあぁぁぁー!


ベッドに倒れる私の背中に両手を差し込み、覆い被さるように理玖くんの体が密着。

教えたら離れる。

理玖くんはそう言ったにも関わらず、私のことをぎゅっと抱き締めた。

< 201 / 405 >

この作品をシェア

pagetop