one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


「……応用編、ですか?」

「そう、応用編」


あの…その前に……この手を……。


なんて、口には出せないくせに心の中で理玖くんに言ってみる。

おかしな体勢で止まっていると、スマホを持つ手と反対の手をいきなり掴まれた。


「……理玖くん?」


呼び掛けにも応えず、理玖くんは微笑を浮かべたまま顔を傾ける。

吸い込まれるようにその端整な顔に見入っていると、じりじりとその距離が縮まってくるのを感じた。


「あ、あの」


反射的に体が後ろに傾く。

逃げるような動作を無意識に取ると、理玖くんがグイッと掴んだ手を引っ張った。


えっ……

ちょっ……⁈


「っ⁈」

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