one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


ちょっとしたアクシデントみたいに体の一部が触れ合う。

でも、触れた部分がちょっとしたアクシデントじゃ済まされない。


えっ⁈

ええっ⁈

えぇぇぇーっ⁈


あっという間に顔が近付き、触れ合ったのは唇と唇。

一瞬、頭の中が真っ白になる。

石のように固まっていると、握り締めていたスマホが奪うようにもぎ取られた。

不慣れな感触が容赦なく唇を襲う。

触れた唇が一瞬離れ、理玖くんは微妙に角度を変えてまた口づける。

蒸気機関車のように脳天から煙を噴き出しそうになったそんな時……


『カシャ』


顔の横の方から、聞き慣れない機械的な音がした。

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