one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
「はぁ、はぁっ……」
走っちゃいけない廊下を全力疾走。
教室に入っていく他のクラスの人たちが、猛ダッシュで駆け抜ける私にチラリと目を向けていた。
走りながら背後を確認すると、純太くんの姿もこころちゃんの姿もなし。
叫んで呼び止めてたから、追いかけられてるかと心配になった。
純太くんの馬鹿ぁ!
あんなおっきな声で話してたらクラスの人みんなにバレちゃうよ!
理玖くんがいなかったからまだしも……あれじゃ拷問だよ!
「はぁ、はぁ……」
廊下を走りきって、とりあえず階段に駆け込む。
呼吸を整えるように、ゆっくりと階段をのぼり始めた。