one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
候補、ね……。
確かにビシッと決めれる奴は思い付かない。
けど、俺がビシッと決める必要は全くないし、その気もさらさらない。
麗華も麗華だ。
学校の行事ごときにこんなに真剣になるなんて……。
案外子どもだったってわけか。
「麗華が白雪姫で、理玖が王子様。ね? 絵になるでしょ?」
「そうだな、確かに絵にはなるな」
「でしょ? じゃあ決ま――」
「でも、一応断っておくよ」
「……え? どうして⁈」
「どうしてって」
あー……めんどくせー。
「……言ったじゃん? 俺、あの転校生とって」