one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
何て言い逃れようと思っていたら、さっきそこで覗き見してた桃香が頭をよぎった。
ちょうどいい……。
「えっ、それってまさか……加山って、あの子?」
「麗華みたいな可愛い子と仲良くしてると……アイツもアレで妬いたりするからさ」
絡みつく腕をさり気なく剥がし離す。
ごくごく自然な感じで立ちふさがる麗華をすり抜け、その耳元に顔を寄せた。
「お誘いありがと。その気持ちだけで十分」
瞬間的に紅潮した横顔を確認すると、俺は黙ってその場をあとにした。
「まっ、待って理玖! その話、本当なの⁈ ねぇ、理玖!」