one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
理玖くんと柏木さん……実はそういう関係だったんだ……。
でも、そうだよね……。
転校してきた初日から、仲良しなとこ見せられたんだもん。
何でもないわけないよね……。
でも……だったら何で……何で、私に……。
そんなことをぼんやりと考えていた時、教室の扉が開けられる音が聞こえる。
「おい安藤、なーにやってんだ。授業始まってるぞ」
ドアが開いたと思ったら、理玖くんが教室へと戻ってきた。
先生の言葉を軽く流すように「すいません」と謝り、平然と自分の席へと向かう。
それを追ってきたように、続いて柏木さんが教室へと入ってきた。
「こら、柏木も。早く席着け」
「はーい! 先生、ごめんなさい」
チクン。
柏木さんの声が聞こえると、わずかに胸の辺りにトゲが刺さったような痛みが走った。