one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
「あ、はい、それは……わかるんですけど……」
何を決めてるのかがイマイチ……。
「なーんだ、聞いてなかったのか? 劇の配役を決めてるんだ。それで、よく聞けよ?」
は、配役……?
「主役の白雪姫役に、加山が推薦されたんだ」
「……え、えぇ⁈」
合田先生がそう言うと、クラス内が一層ざわめきを増す。
柏木さんに振り返ると、巻き髪をクルクル指でいじくりながら知らん顔をしていた。
「あ、あの! 待ってください! 私、そんな!」
何で私⁈
どうして柏木さんが!
突然のことに一気に慌てる。
丁重に断る余裕もなくて、思わず席から立ち上がっていた。