one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


「あ、はい、それは……わかるんですけど……」


何を決めてるのかがイマイチ……。


「なーんだ、聞いてなかったのか? 劇の配役を決めてるんだ。それで、よく聞けよ?」


は、配役……?


「主役の白雪姫役に、加山が推薦されたんだ」

「……え、えぇ⁈」


合田先生がそう言うと、クラス内が一層ざわめきを増す。

柏木さんに振り返ると、巻き髪をクルクル指でいじくりながら知らん顔をしていた。


「あ、あの! 待ってください! 私、そんな!」


何で私⁈

どうして柏木さんが!


突然のことに一気に慌てる。

丁重に断る余裕もなくて、思わず席から立ち上がっていた。

< 254 / 405 >

この作品をシェア

pagetop