one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


「じゃあ、候補に上がったのは梶田と本城だな……どっちがやる?」

「ハイハイ! 俺にやらしてください!」


率先して純太は自分を売り込む。

そんな中、予想外の展開に梶田はだんまり。

そんな梶田に、「梶田、いいよな? 俺にやらして?」と純太は睨みをきかせた。


「どっ、どうぞどうぞ……」

「っしゃー! じゃセンセ、俺に決定ってことで」


結局、純太の押し切り勝ち。

梶田は手に入れ掛けた座をあっさり純太に譲り、所在なさげに椅子へと腰をおろす。

ふと麗華を見ると、思わぬ邪魔が入ったせいか、すごい形相で純太を睨み付けていた。


「ってことで! 桃ちゃーん! よろしく!」


……何だ?

この展開……。


純太が桃香にピースサインを送る。

純太の声に振り返った桃香は、困り果てた顔にやっと笑顔を浮かべ、救われたような笑みで頷いていた。

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