one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
「頭もよくってこの顔だろ? 神様は不公平すぎだよなー?」
そばで転がっていた漫画本をパラパラ眺める俺に、純太が恨めしい目を向けてくる。
ほっとけ……ってか、早くやれ。
そんな気持ちで睨み返す。
純太はかなりのボンボン。
親父さんは内科医をしてて、家は無駄に豪邸。
今いるこの部屋だって、持て余すほど無駄に広い。
兄弟は医大生をしてる兄貴が一人。
病院の後継ぎのことを考えれば、親父さんはもう一人息子がいてホッとしてるに違いない。
純太じゃ、親父さんが現役引退するまでに医師免許を取れない気がする。
「はいはい、手動かす。来年から見せてくれなくなるよー?」