one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
うちのクラスの出し物の演劇は、校内発表だった昨日の学祭では行われなかった。
一般公開日の今日、一度のみの発表。
劇に出る連中にとっては昨日が最後の練習で忙しかったわけだけど、一番楽そうな〝後片付け係〟になった俺的には、昨日はバックレに最適な一日だった。
「んで、ここで目覚めの……」
「どんだけイメトレしたら気が済むわけ?」
「なぁなぁなぁ! 理玖!」
わざと呆れた口調で突っ込んでやると、純太はそれにも気付かずハイテンションで絡み付いてくる。
鬱陶しくて頭を小突くと、今度は更に鬱陶しく肩を組んできた。
「ここでさ……ホントにチューしちゃおっかなって、桃ちゃんに」
……は?