one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
どうしよう……本当にどうしよう……。
舞台なんかに立ったら、きっと頭が更に真っ白になる。
緊張しすぎてセリフがカミカミになったり……。
それ以前に、全部忘れてすっ飛んじゃったらどうしよう……。
もう悪い方向にしか頭が働かない。
制服のポケットに入れておいたスマホを取り出して見てみると、本番開始二時間前。
すでに、十二時を回っていた。
パラパラと最後まで台本を眺めると、また始めに戻って読み直す。
そんな繰り返しをしている時だった。
ガラッと静かだった教室の扉が開かれる音がした。
「あっ……」
「……こんなとこで何してんだ?」