one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
いつからなんだろう……?
こうして理玖くんに近付かれて、初めのうちは困ってどうしたらいいのかって戸惑った。
でも、今は違う……。
理玖くんともっと近付きたいって思う自分が確かにいる。
私が理玖くんに対してそんなこと思うのは、おこがましい。
でも……でも……。
好きだっていう気持ちが止められない……。
いつの間にか、腰にあった理玖くんの右手が首の後ろを支える。
唇の弾力を堪能するような濃厚なキスに、足の力が抜けそうになっていた。
そんな時だった。
学園祭の賑やかさから切り離されたように静かな教室に、校内放送のマイクがブツッと入った。
『――生徒の呼び出しをします。二年C組、加山桃香さん。至急、教室まで来てください』