one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


「今日も決まってますね、王子!」


やって来た純太にあからさまに嫌そうな顔をチラリと向ける。

シカトして足も止めないで歩いていくと、後ろから背中を小突かれた。


「何だよ、朝っぱらからその感じ悪い顔は」

「誰のせいだ? 誰の」

「はぁー? 意味わかんねーし」


わかれよ、アホか。


「あのな、王子がそんなしかめっ面でどうするんだよ? スマイルスマ――」

「だから、その呼び方マジでやめろ」


かなりの迫力でガツンと言ってやると、純太はギクッとしたように言葉を呑み込む。

アハハハっと笑って誤魔化した。


「まぁまぁまぁ! そう怒んなって! 王子なんてさ、誰でも呼んでもらえるもんじゃないぜ?」

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