one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
なになに……?
純太くんが、私に何の用……?
教室を出て、スタスタとどこかを目指す純太くん。
いつもはよく喋る純太くんだけど、今は無言で何も話さない。
私の一歩前をリードして歩いていく。
黙って付いていくと、純太くんは校舎を出て体育館の脇の道を入っていった。
「あの、純太くん……?」
「ごめんね、こんなとこまで連れてきちゃって」
「ううん、それは別にいいけど……」
純太くんがやっと足を止めたのは体育館の裏だった。
私たちの他には誰もいなくて、あまり人が来なそうな静かな場所。
何でこんなところに連れてこられたのかわからない私は、黙って純太くんを見つめるしかできなかった。
じっと見つめていると、対面する純太くんは急に真面目な顔をして一歩私に歩み寄る。
……何?
そう思った時、いきなり両手をガシッと掴み取られた。