one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


「え……?」


パタンと本が閉じられた音がしたと思ったら、横から理玖くんに顔を覗かれていた。

近付いた距離に思わず身を引く。

そんな私を鼻で笑い、理玖くんはテレビ画面に目を向けた。


観に行きたい……?

観に行きたいって……あっ!


「あ、あの、そんなつもりで観てたんじゃ」


勘違いされた⁈

そう思ってあわあわと否定。

理玖くんはどうやら、私がイルミネーションを観に行きたくてテレビを観ていたと思った様子。


違うのに!

テレビなんか全然観てなかったのに!


「へぇ~……結構綺麗なんだな」


理玖くんのそんな呟きに画面を見てみると、レポーターらしき人が中継をしているのが映っていた。

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