one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
「え……」
「……テストの結果だけじゃないでしょ?」
そう聞かれて、つい黙り込んでしまう。
無言のまま数歩歩き、こっちを見る純太くんへ顔を向けた。
「私、ね……帰ろうと思って、宮城に」
「えっ……」
できるだけ普通に、何ともないような顔をしてそう言った。
そう言われた純太くんは、足まで止めて表情を固める。
驚いた顔をされ、へへっと笑って目をそらした。
最近ずっと考えていた。
宮城に帰ったほうがいいのかもしれない。
東京には、もういない方がいいかもしれない……って。
理玖くんにフラれたからとか、そんな理由じゃない。
でも、このまま理玖くんのそばにいれば、私は自分の目標も見失う気がする。
だから……。
「桃ちゃん……ちょっとちゃんと話そう」