one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
純太くんは急に深刻な顔をして、近くのベンチへとすたすたと歩いていく。
手招きをされ、純太くんが座ったその横へと腰を下ろした。
始まらない会話の代わりに、冷たい風が吹き付けてくる。
冷たくなってきた手をこすり合わせた。
「アイツと……何かあった?」
「え……?」
「……理玖の奴と」
純太くんの口から出てきた意外な名前に、ドキンと胸が過剰反応する。
どうして……。
「ごめん……」
「……?」
「俺さ……桃ちゃんの気持ち、わかってるよ?」
え……?
「理玖が好きなこと、わかってて桃ちゃんに告ったんだ。理玖に……俺、桃ちゃん好きだから告るって宣言して」
「え……」
「ごめん。俺、アイツにプレッシャーかけてやろうと思って……」