one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


それは……違うよ、純太くん……。

理玖くんが、私をなんて……。


そんなこと……ないよ……。


「だからさ、学祭の、俺がいきなり出れなくなったっての」

「……?」

「あれもさ……実は俺とこころで仕組んだことなんだ」

「え……? 仕組んだ?」

「そう。腹イタでトイレから出れないって、あれ。あれも、全部嘘」

「えぇ⁈ う、嘘……?」

「うん。で、理玖にやらせようって、俺らで仕組んだんだ。ちょっとでも桃ちゃんと、ってさ」


じゃあ、純太くんとこころちゃんとで……。


「まんまと騙されてくれて大成功だったけどね。理玖相手だから、上手くいかなかったらどうしようかとか、すっげー心配だったけど」


純太くんはそこまでを話すと、気が抜けたようにベンチにふんぞり返る。

数秒後「ふぅー」っと、深いため息をついた。


「でも……なかなか手ごわいんだよな、アイツ……」

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