one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


理玖くんが私を好きだという前提で、純太くんとこころちゃんは理玖くんを想ってそんなことをしていた。


学園祭のこと。

純太くんの告白のこと。

全ては理玖くんのために、二人がしたこと……。


こんな風に陰ながら想って、行動を起こしてくれる友達を持った理玖くんは、本当に幸せだと思う。

そして、理玖くんを想う二人の気持ちに感動する。


でも……。


「優しいんだね……二人共」


理玖くんの気持ちは……

私にはない。


「でもね……私、言われちゃった」


目の端に、こっちを見る純太くんが見える。

私は真っ直ぐ前を向いたまま、あの日言われた言葉を思い出した。


「私のこと……田舎から出てきて可哀想だからって……だから、優しくしたんだって」

「え……」

「だから、変な期待させちゃったなら、ごめん、って……謝られちゃった」

< 353 / 405 >

この作品をシェア

pagetop