one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
ドアが開かれ、すぐに閉まる音が聞こえる。
扉の向こうで、階段を下りていく足音が続けて聞こえた。
それが遠ざかって聞こえなくなると、つむったままの目に自然と涙が溢れた。
私の名前を呼ぶ理玖くんの声。
おでこや頬っぺに触れた理玖くんのぬくもり。
落ち着いた低い声も……
優しい温かさを持つその体温も……
涙が勝手に出てくるほど、いつの間にか大好きになっていた。
「理玖、くん……」
ベッドの中でうずくまりながら、私は溢れる涙を声を殺して流していた。