one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
初めての恋も、
初めてのキスも、
見事に理玖くんに奪われた。
恋をするという気持ちがこんなにも楽しくて、嬉しくて……
時には苦しくて、切なくて……。
でも……
こんなにも幸せだって、私は知ることができた。
ありがとう……。
理玖くん、本当に……ありがとう……。
「ありがとう……」
明るく輝くクリスマスツリーが、涙でぼんやりと滲んでくる。
ぬいぐるみをギュッと抱き締め、私は一人笑顔を浮かべた。
きっと一生、この景色を忘れないと思う。
この気持ちと一緒に、一生……。
ぬいぐるみをそっとバッグにしまい、地面に置いた荷物に両手を伸ばす。
しっかりと荷物を持ち、最後にもう一度クリスマスツリーを見つめた。
バイバイ……東京……。
「さよな――」
「村に帰んのか、村娘」
え……?