one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
振り返って目を見開いて、今度は幻覚を見ていると思った。
だって、こんなことあるわけがない……。
こんな……こんなこと……。
それでも、幻だと思おうとしても、目が涙でいっぱいになっていく。
信じない自分。
その反面で、信じたい自分がいる。
でも、そんなわけ……。
モデル級の完璧すぎる容姿。
金ボタンの黒い学ラン。
そんな……そんなはず……。
でも、その手には、見間違えるはずもない物が握られている。
世界にたった一つしかない、私が作った……。
「……り、く……くん」
込み上げる涙と溢れ出しそうな気持ちで、やっと出した声がひどく震える。
一歩ずつ近付いてくる、未だに信じられない姿。
しっかりと見て確かめようとしたその時、素早く伸びてきた両手に捕まった。