one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
初めて人を好きになった。
初めて恋というものを知った。
その相手は、
住む世界が違うような、
素敵すぎる王子様……。
その、結末は……。
「理玖くん……私、理玖くんのこと好――」
「ストップ」
「えっ……」
「その続きは……帰ってからじっくり聞いてやる」
「え、でも……」
「帰るぞ」
落ちた荷物を軽々と持ち、理玖くんの手が私の肩を拐う。
その強引で温かい腕に、私の顔には自然と最高の笑顔が咲き乱れていた。
再び目に映ったクリスマスツリーが、さっき見た時よりも美しく、光り輝いているように見える。
目に映る全てのものが、全ての世界が、私にはキラキラとまばゆく、眩しく映っていた。