one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


【素直じゃないんだから、ばーか。こっちはバカ騒ぎ中!桃香といるの、願ってます】


開いてみると、それはお節介こころからのメッセージだった。

クリスマスのスタンプと一緒に画像も送られてきていて、見た瞬間、プッと笑いそうになった。

画面いっぱいに現れたのは、口の回りを生クリームだらけにしてピースする純太だった。


ほっんと、馬鹿だな、コイツら……。


呆れた気持ちでメッセージと画像を眺めながら、ふと、今朝の二人の真剣な顔が頭をよぎる。

思い出すと、何だかわからないけど微笑ましい気分にさせられた。


ギャーギャーうるさくて、鬱陶しいと顔をしかめることは年中。

だけど今、その有り難みを感じる自分がいる。

馬鹿みたいな奴らだけど、無駄に付き合いが長いだけじゃない。

それに……俺より俺を知ってるかもしれない。

今日の一件で、それを思い知らされた。


何より……やっぱり奴らは、俺の人生にかかせない二人だって思える。


何でも二人に負ける気はしない。

けど……今回は完全に俺の負けだ。


その感謝は、桃香を連れて二人に会うことだな……。


そんなことを思いながらふと目を向けると、薄暗い部屋の中、桃香が楽しそうな顔をしてクリスマスツリーを見上げていた。

その手には、いつかゲーセンでとってやった胴体がロールケーキのミニチュアダックスのぬいぐるみが抱かれていた。

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