one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
ふ~ん……そういうもん?
「学校、行くのすごく楽しみで……あの、よろしくお願いします!」
村娘は何を思ったか、また俺に向かって深々と頭を下げた。
学校行くのが楽しみ。
そんなことをホントに楽しそうに言っちゃう奴なんて初めて会った。
きっとこの調子じゃ、遊びも知らない真面目なガリ勉。
勉強しかすることがなかったのかもしれないなんて勝手に思う。
痴漢に遭っても黙って我慢してて……。
お下げで……学校大好きで……この純粋そうな汚れてない笑顔。
ちょっとからかったら……
泣いたりしちゃうとか?
面白い……。
久しぶりに人に対して興味を示したかもしれない。
「……なぁ」
期待に満ち溢れた目で振り向く村娘。
その無防備な笑顔に、俺は単なるふざけたノリで接近した。