one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


何も考えないで部屋を出ると、開いたドアの先でドンッと正面衝突。

反射的に目の前に現れたものに両手をついていた。


白い、ワイシャツ……。

えっ⁈と驚いて真上を見ると、そこには私を見下ろす理玖くんが……。


「あっ、ご、ごめんなさい!」


慌てて離れて咄嗟に謝る。

ドアの前には、なぜか制服姿の理玖くんが立っていた。


「おはよう」


待っていましたと言わんばかりに、何の驚きも見せない理玖くん。

肩からカバンをさげ、もう準備完了の様子だった。

驚いたことに、あんなに遅く帰ってきたのに眠そうな顔一つ見られない。

それより何より、初めて見る制服姿が目が飛び出すほど格好良い。

本当に高校生なんだ……なんて思ってしまう。

初めて会った時は、絶対に年上で大学生くらいだと思ったくらいだ。


「起きてたんだ?」

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